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アーキテクチャ

技術スタック

  • Rust 2024 edition
  • Win32 API (Direct2D, Shell, WIC)
  • crossbeam-channel によるスレッド間通信

アーキテクチャパターン: Model-View (MV) 分離

Win32メッセージベースのアプリケーションにはMVVMは過剰であるため、シンプルなMV分離を採用。 Rustのチャネルで疎結合化している。

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flowchart TB
    AppWindow["<b>AppWindow</b> (app.rs)<br/>Win32ウィンドウ管理<br/>メニュー・キー入力のハンドリング<br/>DocumentEventの受信 → 再描画・UI更新<br/><br/>WM_KEYDOWN → Document操作メソッド呼び出し<br/>WM_PAINT → Renderer.draw(document.current())"]
    Document["<b>Document</b> (document.rs)<br/>FileList管理<br/>先読みエンジン制御<br/>表示状態管理"]

    AppWindow -- "操作呼び出し" --> Document
    Document -- "DocumentEvent送信<br/>(チャネル経由)" --> AppWindow

先読みエンジン設計

リングバッファキャッシュ

text
     ← 後方キャッシュ  現在  前方キャッシュ →
     [...] [...] [...] [表示中] [...] [...] [...]
      -3    -2    -1     0      +1    +2    +3
  • キャッシュサイズ(前方N枚 + 後方M枚)は利用可能メモリに基づいて動的に決定
  • ベースサイズ(デフォルト1024×1536)の画像を基準にキャッシュ可能枚数を計算
  • メモリ予算方式を採用: 固定枚数ではなく、利用可能メモリから動的にキャッシュ枚数を算出することで、大画像でもOOM (Out of Memory) を回避

ワーカースレッド

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sequenceDiagram
    participant M as メインスレッド
    participant W as ワーカースレッド

    M->>W: LoadRequest送信 (index, priority)
    Note right of W: デコード実行 (ImageDecoder使用)
    W->>M: ImageReady受信 (index, decoded_image)
    Note left of M: キャッシュに格納<br/>→ DocumentEvent::ImageReady
    M->>W: CancelRequest送信<br/>(キャッシュ範囲外になった画像のキャンセル)
    Note right of W: 現在のデコードを中断
  • crossbeam-channel でリクエストキューを実装
  • 優先度付きロード: 現在ページ → 次ページ → 前ページ → 遠いページ
  • ナビゲーション時に不要なリクエストをキャンセル(世代管理: リクエスト送信時の世代番号と現在の世代番号が一致しない場合、レスポンスを破棄)

背景コンテナ展開スレッドのI/O優先度制御

多数のZIPをまとめて開くと、残りのコンテナはPendingContainerとしてリストに並び、バックグラウンド専用のrayonプールで順次展開される。 このプールには以下の制約を入れている。

  • 並列度は1に固定する。HDD環境ではシーク競合が支配的であり、並列展開するとむしろディスク帯域を食い潰してフォアグラウンド操作(先読みワーカー、メインスレッドのキャッシュミスフォールバック)が遅延する。SSD環境でも1並列で十分高速であるため、両者の最大公約数として1を選ぶ。
  • ワーカースレッド起動時に SetThreadPriority(GetCurrentThread(), THREAD_MODE_BACKGROUND_BEGIN) を呼び、I/O優先度とページ優先度をLowに落とす。これにより、同じ物理ディスクに対するメインスレッド・先読みワーカーのI/Oが優先される。HDD環境で顕著に効く。
  • 世代ごとのキャンセルフラグ(Arc<AtomicBool>)で旧rayonプールを停止できるようにしている。旧世代を破棄する全経路(open_containers / open_multiple / expand_all_pending_sync / reschedule_background_expansion)から共通メソッド cancel_expansion を呼ぶことで、旧ジョブの残存I/Oを進行中の1件だけに抑えている。

デコーダチェーン

デコーダはDecoderChainに登録された順でcan_decode()を試行し、最初に対応したデコーダがデコードを担当する。 登録順は以下の通り。

  1. StandardDecoder (image crate) — JPEG/PNG/GIF/BMP/WebP
  2. SusieDecoder (libloading) — Susieプラグインからの動的登録

標準デコーダを優先することで、Susieプラグインがなくても主要フォーマットを確実にサポートする。

設計上の制約・選択

  • GIFは静止画のみ: アニメーションGIF対応は先読みキャッシュとの整合が複雑になるため意図的に除外
  • 削除操作はごみ箱経由: ユーザーの誤操作によるデータ喪失を防ぐ安全設計
  • 永続フィルタ: 通常のフィルタが現在の画像にのみ適用されるのに対し、永続フィルタはナビゲーションしても全画像に自動適用される。一括処理(例: 全画像をグレースケールで閲覧)のための仕組み